2010年3月アーカイブ

ハイタッチ 3

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「別に説教しようというわけじゃないから安心して。売上は達成してるし。ギリだけどね。みんな頑張ってると思ってるわ」

椅子に座るなり、店長は眉根を寄せて言った。接客時の穏やかさとは正反対の厳しい顔をするのが、この人の特徴だ。仕事のダメ出しではないとしたら、なぜ呼び出されたのだろう。

 

「ねえ、沢村さん。この間、トイレの鏡の前でぼやーっとしてたでしょう。あなた最近ちょっと疲れ気味じゃない?」

「いえ、そんなことはないですけど......」

「そう?だったらいいんだけど。ほら、食べなさい。しっかり食べて寝なくちゃ、しっかり生きて行けないわよ」

「ええ、はい、いただきます」

 

店長の頭の中が読めない以上、芽衣子は素直に返事をするほかない。ふたりは向かい合って無言のまま食事をした。気まずくて芽衣子の箸が進まないのに、店長はちゃっちゃと威勢よく食べている。しばらくすると店長が顔を上げた。

「ねえ、沢村さん。あなた自分の長所と短所をわかってる?」

突然そうきかれて、芽衣子は口に運んでいた箸を止めた。

 

「長所と短所......ですか?」

芽衣子が答える暇を与えず、店長はちゃっちゃと言葉を続ける。

「弱みは優柔不断で臆病なこと。後輩スタッフ達には優しくて好かれているけれど、時には叱り飛ばすこともできないとナメられるわね。逆に優柔不断さは他人に対して柔軟さでもあるの。人の意見を固定観念なしに受け入れられるということだから。それは裏を返せば強みなのよ。実際、お客様が何を求めているのか察知する力は、他の人に比べても高い。あなた、長女でしょう?」

まるで占い師のようだ。確かに芽衣子は長女で、下に弟と妹がいる。

 

「自信がないから派手で無理な販売はしない。美人のBAさんに乗せられて買っちゃったわ、というお客様は、あなたには少ないわ。スタンスとしては堅めね。その代わり、あなたについてるお客様はわりと多いの。無駄なものは薦めず、欲しいものだけピンポイントで押さえてもらえるからよ」

「それは、もっと積極的な販売をした方がいいということでしょうか」

「そうとも言えるし違うとも言える。お客様の中にはノリで買いたい人もいて、あなたはそういうタイプの人を逃しているの。そのタイプが得意なスタッフはいるから、任せてしまうのもこの店にいる限りはいいわよ。ただ異動になった場合、そういうお客様も取り込める力をあなた自身が持っていた方がいいでしょ。その力があれば怖いものなしじゃない。お得意がつく力はもともとあるんだから、自信を持ちなさいよ」

ということは、もしかして近いうちに異動でもあるのだろうか。

「やだ、異動話が出ているわけじゃないのよ。ああもう......さっきから言葉がぜんぶ裏目に出てる。私の長所と短所は自分でわかっているけれど、あなたには言わない。勝手に想像してくれていいわ」

 

店長は自虐的に笑って食事の続きに取りかかった。店長のトレーに目を落とすと、照り焼きチキンの皮の部分をすっかり取って皿の端によけてあった。皮は嫌いらしい。それを見ると、付き合いづらいと思っていた店長が、急に身近な人間に思えてきた。

この人は、ただ本当に私のことを心配してくれているのだろう。ようやく、それがわかってきた。

 

皮を残して食べ終えた店長は、コップの水を飲み干してひと息つく。

「ねえ、沢村さん。あなた仕事以外で悩みがあるんじゃないの?」

「え?」

「自分ひとりで考えてばかりだと潰れる時もあるわよ。誰かに相談するなり、聞いてもらうなりしないと。最後は自分で結論を出すとしたって、聞いてもらうだけでラクになるものよ」

「ええ」

「話を聞いてもらえる友達、いるでしょう?まあ、どうしても聞く人がいないなら私が聞くけれど......。じゃあ、私は先に行くわ。今日は店に戻りませんから。ゆっくり食べなさい」

店長はトレーを持って、そそくさと席を立った。残された芽衣子はオムレツをつつきながら、自然と微笑んでいた。店長、意外といい人なのかもしれない。

店長の短所はきっと、高圧的な雰囲気と話し方のせいで、優しさが他人にとってはわかりにくいところだろう。それはコミュニケーション能力の欠如でもあり、上に立つ人間としては致命的な欠点だ。彼女はその欠点と戦ってきたに違いない。今まで敬遠してきた店長のことを、なんだか愛おしく感じた。

 

夕方、会社が終わる頃になり、どの店も客足は増えてきた。早出だった芽衣子が、あと30分で仕事が終わると思いながら一回だけ肩を上げ下げして背筋を伸ばし、最後の気合を入れた時だった。

「ちょっとそこのお姉さん」

芝居がかっただみ声にぎょっとして、それでも笑顔を忘れずに振り向くと、志保がにやにや笑って立っていた。仕事あがりにここへ来たにしては時間が早すぎる。そうだった、と芽衣子は思い出した。志保の会社は金曜も休業になってしまったのだ。そういえば今日は金曜日だ。

「なによもう、びっくりさせないでよ。どうしたの?」

「どうしたのって、あたし、ここの美容液使ってるんだよ?ネットで買えば安いのにさー、わっざわざ買いに来てあげたんじゃん。感謝しろっての」

「あらあら申し訳ございません、お客様。こちらの美容液でよろしいですね?」

「そちらでよろしいですのよ。ところで仕事は何時に終わるの?せっかく来たんだし、終わったらごはん食べよ。おごるから」

 

店長といい志保といい、今日はやたらと食事に誘われる日だ。志保は美容液の入った紙袋を受け取り、仕事終わったらメールちょうだいと言い残して去っていった。それにしても「おごるから」なんて、時短勤務で給料も減ったはずなのに、そんなに余裕のあることを言っていて大丈夫なのだろうか。

志保の行動は予想がつかない。

ハイタッチ 2

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原宿で志保たちに出くわした日から1ヶ月ほど経ち、梅雨も終盤になった。ひと月なんてすぐに経ってしまう。その間、志保たちとはメールも電話もしていないけれど、ひと月くらい連絡をしあわないのは普段のペースだった。

 

雨のせいか不景気のせいか、平日の午前中はどのメーカーのカウンターものんびりしている。芽衣子は帳簿をチェックしながら、これじゃ百貨店が閉店していくのも無理はないな、と思った。せめてもの救いは、店長の課した売上をギリギリで達成しているところだ。

 

目を上げると、オフホワイトの上品なワンピースを着た女が夏用コフレを置いたディスプレイの前で立ち止まり、芽衣子の胸元を見た。ネームプレートをチェックしているのだ。誰か自分についている顧客から紹介されたのかもしれない。こういう場合は、即座に声をかける方がいい。

「なにかお探しのものがございますか?」

「ええ。夏用のファンデーション。こちらのは使ったことがないんだけど、試してみて良ければ買うつもりよ」

 

長い髪を後にまとめ切れ長の目をした女は、さっぱりと言った。芽衣子と同年代くらいに見える。肌はよく手入れしているらしくキメが整い、蒸し暑い外から来たとは思えないほど化粧崩れしていない。この時間に化粧品を買いに来るのだから、きっと時間に余裕のある人なのだろうと思いフルメイクのお試しを薦めてみると、女はためらわずスツールに座った。

 

「お色が白いですしお肌がとてもきれいですから、リキッドやジェルではなく軽いパウダーファンデがいいと思いますよ。まずはお肌の状態をお調べしますね」

アナライザーを女の頬に当てると、予想通りの優等生肌だった。クレンジングで女のメイクを取っていく。化粧品屋にとっては挑戦的なほどきれいな肌だ。

「普段からきっちりお手入れされているみたいですね」

「そうでもないの。子供もいるし、忙しくて。あなたは?ご結婚されてないの?」

肌の美しさも挑戦的なら、問いかけてくる質問も挑戦的だ。しかしこういう職場に長く勤めていれば、いろいろな客がいることも十分わきまえている。

「それが残念ながら、まだなんですよ」

「そうなの。美人なのに」

 

女はそれきり、ぼうっと遠くを見たまま黙ってしまった。芽衣子がメイクをしながら商品の説明をしても気のない返事をするばかりだった。この人はいくら薦められても不必要なものは買わないだろう。逆にこの手のタイプは、気に入れば長い間使ってくれる。

はじめは不機嫌なのかと思ったが、そういうわけでもなさそうだ。何か別のことを考えているのか、それとも疲れているのかもしれない。だとしたらこのカウンターにいる時間だけでも疲れを忘れてもらいたい。この人の透明感のある肌と涼しげな目元を生かし、それから血色が悪く見えてしまいがちだからチークは自然な色味を入れて、全体的に健康的に見えるものを......。

 

メイクが終わり、かなりの時間をかけていたことに気づいた。結局ファンデーションしか売ることができず、おまけに女は家が遠いからと言ってメンバー登録をせずに帰って行った。ということは、もうこのカウンターへ来るつもりはないのだろう。そう思うとどっと疲れが出て、一回だけ肩を上げ下げしてから背筋を伸ばした。これは芽衣子の疲れた時の癖だ。

 

「今日の昼は社食?」

と突然声をかけられ、とっさに笑顔を作って振り返る。本社の会議で朝から不在だった店長が立っていた。頭ひとつぶん背の高い店長、芽衣子を見下ろしている。

「はい」

「じゃあ一緒に出るわよ。たまにはいいでしょ」

それだけ言って忙しそうに早足で去っていく。会議後に呼ばれるなんて、とてもじゃないけれどいいこととは思えない。

後輩スタッフ達は「私達ちゃんと売上達成してますよね」だとか「沢村さん、何か店長のお気に召さないことでもしたんですか」だとかこっそり小声で芽衣子に言う。時間になって店長がどこからともなく現れると、後輩達は芽衣子に向って小さく手を振ったりピースをしたりした。他人事だと思って面白がっているみたいだ。

ハイタッチ 1

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久しぶりに土曜日に休みを取った。雅人と一緒に過ごすつもりで取った休日だから、志保たちの誘いは断った。いろいろ詮索されると面倒なので「仕事で行けない」と嘘をついたことが、少しだけうしろめたかった。

 

雅人が観たいと言った映画はハリウッド産のCG満載SF作品で、ちっとも芽衣子の好みではなかったけれど、観る映画なんてなんでもよかった。芽衣子にとっては休日を一緒に過ごすことが大切なのだ。

「ほんとにスター・トレックでいいの? もっと他の、芽衣子が観たい映画でもいいんだけど」

「いいよ。今は特に観たい映画ってないから」

「えっ、ほんとにいいの?そっか。いいのか」

と言いながらも、雅人は子供みたいにわかりやすく浮足立っていて、芽衣子はふっと笑ってしまった。

 

この人と一緒にいると必ず振り回されることになる。でもこうして振り回されるのが嫌ではなかった。今まで付き合ってきた男達はみんな、連れて歩くには見栄えのする人形のように芽衣子を扱った。そのたびに、私はそんなにいいものじゃないと気おくればかりが先に立った。「女は姫みたいにしていなくちゃ恋愛はうまくいかないわよ」と言う友達もいるが、姫でいることを積極的に楽しめない女だっているのだ。

 

普段は飄々としている雅人が、映画を観る前からスター・トレックについてあれこれ熱く解説する。芽衣子にはさっぱりわからない。以前の芽衣子なら「そうなんだ」とか「面白そうね」とか相手の気に入りそうな相槌をうつところだが、雅人の前では何も気負わなくていい。

「ねえ、スター・トレックとスター・ウォーズは違うの?」

「違うよ。ぜんぜん違う。なんだよ、芽衣子はそんなことも知らないの?」

「知らないわよ。そんなの知らなくても生きていけるし」

「その違いを知らずに生きていけるか」

 

こうしてまた他愛もない会話が日常を埋めていくのは、芽衣子にとって些細だけれどとても幸せなことだった。ただ、他愛もない会話すら入りこめない瞬間もある。

たとえば宝飾店の前を通る時。芽衣子はディスプレイされたペアリングを見ないようにする。

表参道にある結婚式場の前も、早足になり過ぎない程度の速度で通り過ぎる。

雅人の顔も見ない。見ればきっと雅人は何かを言うに違いないのだ。「ごめん」だとか「何とかしようと思っている」だとか。そういった会話こそ、本当はしなければならないことなのに、芽衣子は怖くて逃げていた。別居しているのにまだ正式に離婚をしていないという事実の、その底にある意味を考えたくなかった。

 

メイ先輩、という声が聞こえたような気がして、芽衣子はふと立ち止った。明治神宮前の歩道だ。雅人とつないでいた手を、思わずほどく。

「メイ先輩!」

振り返ると、志保が大声で叫んでいた。隣にあるのは見覚えのあるいずみのベビーカーだ。いずみの姿は見当たらない。まずい、と思ったものの、目が合ってしまった以上は無視するわけにいかない。公園に行くとは聞いていたけれど、まさか代々木公園だとは。ベビーカーの中で由香が体をよじって泣いている。

「あの人、芽衣子の友達?」

「うん......そう」

志保は困り顔でしきりに手招きをしている。意を決し、芽衣子がベビーカーに向かって歩き出すと、妙なところで図々しいくせに基本は人見知りの雅人が後を追った。

「メイ先輩、いいところで会っちゃったよ。由香が泣きやまなくてさ、かなり困ってたの」

「いずみちゃんたちは?」

「向こうのスポーツ屋のトイレ。悠太がうんちらしくて。由香、だっこすれば泣きやむかな」

「ちょ、ちょっと待って」

と言ったのは雅人だった。

「そのまま赤ちゃんを取りだすと危ないよ。ハンドルの荷物をまず外さないと、ベビーカーがひっくり返る」

「え、そうなの?よかった、ひっくり返る前で。さっきあたしの荷物かけちゃったんだ」

志保が荷物を取り除くと、雅人は慣れた手つきでベルトをはずし、由香を軽々と抱きあげた。その仕草があまりにも何気なく映り、芽衣子は胸が苦しくなった。この人は、子供だと家族だとか、自分がまだ持ったことのないものを持っているんだ。嫉妬とも違うさみしさを感じて、芽衣子は思わず瞳をそらした。

志保はといえば、あからさまに目を丸くして、雅人と芽衣子を交互に見る。

「ていうか、このメガネの人誰?まあ、どう考えてもメイ先輩の彼氏さんだろうけど......ちょっと、知らなかったんですけど!いつから?なんで秘密にしてたの!ていうかメイ先輩、今日は仕事って言ってたじゃん!」

 

芽衣子が言葉を探しあぐね、由香が泣きやんだところへ、いずみと悠太が小走りで戻ってきた。いずみは予想外の人間と出くわしたことを、志保以上に驚いている。志保がことの次第を説明すると、いずみはやっと落ち着いたように微笑んだ。

「なんだかご迷惑おかけしてすみませんでした。メイちゃん、ちゃんと彼を紹介してよ」

声を出せないまま黙っている芽衣子の代わりに、いずみは簡単に自分と子供と志保の名前を言いい、悠太にお辞儀をさせた。雅人はまじめくさった顔で軽く会釈し、抱いていた由香をいずみに渡す。

「望月です。話は芽衣子さんからよく聞いています。志保さんは高校の後輩で、いずみさんは体育の先生ですよね」

「なんだ。メイ先輩、ちゃんとうちらの話してくれてるんじゃん。望月さんは保育士かなんかなの?ていうより医者っぽくない?」

「確かにね。子供の扱いが慣れてるし、もしかして小児科?だったら嬉しくて通っちゃうんだけど」

いずみと志保は顔を合わせて、十代の女の子のようにいたずらっぽく笑った。

 

芽衣子はちっとも笑えず、できれば雅人を引っ張ってこの場を立ち去りたかった。悪気がない代わりに空気が読めないのもこの人の特徴だ。雅人がなにかとんでもないことを言いだす前に退散したほうがいい。

「医者なんかじゃんくて普通の会社員ですよ。子供がいるんです。女の子で、今現在4才」

それを聞いた志保といずみは、微笑んだまま固まっている。遅かった。引っ張って立ち去ればよかった。

「あの、私達ちょっと用事があって急いでるから。望月さん、行こ」

芽衣子は目を伏せ、早足で歩きだした。

 

恋人ではなくただの友達だと言えばよかったのだろうか。それとも恋人だと認めて事情を打ち明ければよかったのだろうか。打ち明けられないのは彼女達を信頼していないからだろうか。そういうわけじゃない。正しいと思っている自分の選択が、実は間違いだと指摘されるのが怖かった。特にいずみは、いい顔をするわけがない。子供の頃、父親に捨てられたいずみにとって、芽衣子は父を奪った女と同じ立場なのだ。もし、そんな男はやめておけと言われたら、自分には貫く自信がない。その自信を持つか、選択の間違いに自分で気づくまで、放っておいてほしいと思っていた。そうでないと、納得ができない。でも今、はっきりとわかった。自分で納得のいく結論を導きだしどう進んでいくのかは、自分自身が決めること。そのためには、現実から逃げずに雅人と話をしなくてはいけない。

 

そうだ、話しあわなくちゃ。ふいに頭の中のもやが消え、視界が開けた。

帰りの電車の中、隣に座り腕組みをしていた雅人が口を開く。

「怒ってるよね」

「怒ってるわよ」

「でも嘘は言ってないし、俺だってなんにも考えていないわけじゃないんだよ」

「わかってる。ただ雅人の場合、なにを考えてるのかがわからないだけ。ま、もう慣れたけどね」

「みんなそれぞれ平和に生きていけたらいいと、俺は考えているんだけど」

「それもわかってる。雅人君も私も、それからきっと他の誰かも、優柔不断の小心者で何も決められないでいる。でも何かを曖昧に持っているより、失くした方が平和なことだってあるのよ」

腕組みをしていた雅人はそれをほどいて幾度かうなずき、黒いフレームの眼鏡を少し押し上げる。それから手のひらを芽衣子の目の前にかざした。

「なに、その手は?」

「なにって、ハイタッチだよ。はい、ハイターッチ」

つられて芽衣子がぱちんと手を合わせると、雅人は心なしか寂しそうな横顔で「そのとおりかもしれないね」とつぶやいた。

プロフィール

◆松永まき◆
8月28日、東京都生まれ。
某童話賞と某掌編小説賞を受賞(別名で執筆)。
オーディオドラマ『レッツ・キャラメライズ!』原作担当。
→こちらで聴くことができます。
地味めに生きてます。

カレンダ

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