小指のおかあさん  玉田さとみ著  ポプラ社

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2008年4月。
東京都品川区八潮に、聞こえない子どもたちが手話で学ぶことができる
私立の学校「明晴学園」が開校しました。
開校式会場には、静かな拍手が鳴り響いていました。
「きらきら星」のように手をひらひらさせること、
それが手話の拍手です。

先生を真っ直ぐ見るそのまなざしは真剣そのもの。
明晴学園の子どもたちは情報を目で捉えるため、
いつも話す人に真っ直ぐ視線を向けています。

この手話の学校設立のために、走り続けた人がいます。
本書の著者であり、「明晴学園」理事の玉田さとみさんです。

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彼女の次男が1歳9カ月のとき、重度難聴だと診断されました。
「努力して、聞こえる人に近づこう」という教育を行ってきた
従来のろう教育に疑問を持ち、
「全国ろう児をもつ親の会」を立ち上げました。
思いを同じくする親たちとともに、
誰もが個性を尊重し合い共に生きることができる社会を
つくるために走り続けたのです。

8年もの月日がかかりました。
行政や教育界への働きかけを続け、市民を巻き込み、
集めた寄付は約1億1,000万円。

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手話では、人差し指で軽くほおに触れ、
小指を立てると「おかあさん」です。
そっと見ていると2歳になったばかりの次男が、
右手で左手の小指を立てようとしています。

でも、小さい子どもにとって小指を立てる動作は難しいのです。
突然! 左の小指を右手でギュッとつかんでほおに当て走ってきました。
「おかあさん!」
小さな手ではじめて呼んでくれた「おかあさん」です。
あの日から、8年。
あきらめずに続けたことで、みんなが夢見たみんなの学校ができました。

日本初!
手話で学ぶことができる私立の学校「明晴学園」誕生の物語。
希望にあふれた社会を、人を信じることの大切さを感じることができる感動秘話。
マイナスをプラスに変えて、夢を叶えた奇跡の物語
誰もが、夢を叶えるために動きたくなる。
そんな力が湧いてくる一冊です!

内容(「BOOK」データベースより)

 

 

選挙時の政党宣伝カーには手話で演説内容を伝える人が立つようになった。総理大臣や官房長官の会見にも向かって左側に手話で伝える人が必ず立つようになってきた。日本国政府も聴覚に障がいがある人にも配慮し始めたなと感じていた。

5月の連休明けの頃、大好きなTBSラジオで著者の玉田さんが大沢悠里さんのインタビューに答えていたのが気になった、現実はトンデモナイ事が続いている。

Amazonに注文し、本が昨日届いた。

彼女はTBSラジオの情報キャスターとして結婚まで都内近郊をラジオカーで走り回っていた活発なお嬢さん。結婚し二人目の男の子を授かったがその子が重度の聴覚障がいを持っている事を知らされる。

彼女の考える手話に対する考え方(私にとっても正論に聞こえるが)は明治以来の文科省が管轄するろう者教育課程には馴染まなかった。

私も知らなかった、ろう学校で手話を教えていると思っていた。日本式手話は文科省つまり日本国公認のコミュニティー手段ではなく、ろう学校で手話を使うと手を叩かれたり、後ろ手に縛られたりするそうだ。

日本のろう学校では『聴覚口話法』という、口唇の動きや形で判断し、聞こえないのに発音をさせて健常者(聴者)に近づけようとする明治以来の教育法が取り入れられている。

戦前には手話で反政府活動をされては困るので使用禁止になった時期も有ったと言う。

そんな歴史の中でろう者達が長く培っていた日本式手話を教育の現場にも導入して聴者と変わらない教育を受けさせたいという母の熱い気持ちが玉田さんをこの運動に走らせ、NPO法人設立から『学校法人明晴学園』創設に至った。

ろう児のモンスターペアレンツの汚名にも耐え、正論を貫き通した彼女の強さに頭が下がります。

彼女は言います、努力すれば夢は叶うと。

両手を上にあげ、キラキラ星のアクション、これが日本手話の拍手です。とても静かな拍手です。

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コメント(2)

弱者に対して手を差し伸べないで、どこが先進国かと言う感じです。特に、「男(人間)は強くなければならない。弱いものは淘汰されて当然」という石原男根主義知事のもとでは希望がありません。あなたも知ってる都立小児病院も潰されちゃいました。どこぞの開発業者に売られて、と職員の腹に収まっちゃうのでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=q6_Zzw3SPS4&feature=player_embedded#at=38

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