スタンドイン

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CM制作の話です。

危険な撮影や特殊な技能を撮影しなければならないときは、なるべく出演者に事前に習得してもらう努力はしますが、出演者本人かどうか分からないサイズの画の場合はその道のプロッフェッショナルに演技をしてもらい、迫力あるスポーツシーンなどを撮影します。出演者本人が全部自分でやらなければ気がすまない方もモチロンいます。 この場合は被写体になるスタンドインです。

もう一つのスタンドインは被写体にはなりません。

撮影現場では本番前にカメラの前に役者さん(タレントさん)に立ってもらい、カメラアングル、光の当たり具合などを事前にチェックする事が必要です。カメラマンとしては周到な準備をしてからカメラを回したい訳です。

ほとんどの場合は撮影前日に大まかな準備は行ないます。

そして撮影当日の朝、出演者本人はヘア、メイクに入念に時間を掛け、衣装の調整をしたりします。その出演者本人に代わって、ほぼ同じ体型をしたモデルさんにカメラ前に立っていただきます。同系色の衣装を着てもらい、光の当たり具合やカメラワークの最終確認です。

二人並んだショットなら二人の出演者と同じような体型、髪型をした二人のスタンドインが必要だと言うわけです。

私が現場で制作をしていた頃はほとんど私達がカメラ前に立たされ、スタンドインをしていました。制作の私がカメラの前で出演者の真似などをしているわけですから、本来の制作の準備作業がおろそかになるという事も有ったでしょう。それに有名タレントさんになればなるほど撮影に割いていただける時間は制限がつき、なるべく短時間に要領良く現場進行をしなければならない事になるわけです。

多分15年位前からでしょうか、撮影現場にはほとんどと言って良いくらい、スタンドインの方が入って来るようになりました。TVの歌番組だとその歌手専属のスタンドインの方がいて、歌手のフリも含めて本人と変わらない位のパフォーマンスをするそうです。グループの場合はその人数で。

弊社で年に1回制作するCMではずっとレギュラーでご出演いただいている女優さんがいて、彼女のスタンドインもまた毎年撮影現場でお目にかかります。

出演していただいている女優さんも素敵な方ですが、スタンドインの彼女もとても笑顔が素敵な女性です。そう若くは無い年齢なんですが、多分自分の将来の夢の実現に向けて、スタンドインの仕事をこなします。

ギャラは安いし、今日は被写体にもならないけれど、いつかは自分がスクリーンやTVの真ん中で演技をする事を夢見て、明るく健気に仕事に集中しています。

こんな沢山のスタッフの努力で1本のCMが今日も完成して行きます。

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