昨晩のニュース番組では各局が生中継も含め歌舞伎座の千秋楽を扱った。今の建物は昭和26年から60年もの間日本の伝統芸能を守ってきた偉大なモニュメント、今晩を最後に惜しまれながら生まれ変わるのだ。
昭和50年代頃は1年のうち8カ月しか歌舞伎の興行が打てなかった、なおかつ席は埋まらなかったらしい。残りの4か月は貸しステージとして歌舞伎とは関係の無い公演をしていたという支配人の談話が耳に残った。団十郎サンの襲名あたりから徐々に人気が出始め、現在の歌舞伎ブームに至っているらしい。ソフトウエアが充実したという事ですね。
3年後に出来上がる新しい歌舞伎座の設計者は、近代建築でありながら伝統文化を取り入れた素晴らしい建物にしたいと熱く語っていた。楽しみです。
建築期間の3年間は東京の公演のほとんどは新橋演舞場、今週の東おどりでも賑わっていたが、5月歌舞伎からは我社の周りは大賑わいになりそうだ。
ニュースを見ていて気になった事。
幕が引かれて場内が明るくなると数名の観客(日本人です)がStanding ovation をしていた。
ここは歌舞伎座ですよ。
日本人の感情の表現が素直に、豊かになるのは良い事です。
舞台の役者さんとこの建物に大絶賛、大賛辞を送りたい気持ちは分かる。
でも歌舞伎座ですよ。
気持ちのこもった拍手で良いのではないの?
奥床しさ、恥じらいを持った気持ちの表現ってもう通用しない?
歌舞伎の公演、興行(歌舞伎座の維持管理も)が松竹という私企業1社と御贔屓筋、ファンの力だけで成り立っているのも気になるところ。国費で国立劇場は作ったが中身は他人頼み。
でも歌舞伎の成り立ちから考えても国費を投じて守る伝統演劇ではないかもしれない、いつかは滅びるはかなさも歌舞伎の魅力なんだろうな。
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