『腐った翼』なんか要らない!

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山崎豊子さんの『沈まぬ太陽』を読んでから、渡辺健さん主演の映画を観たのは昨年の秋。フィクションだとはいえ誰もが推測できる国策会社JALの企業体質と親方日の丸ぶりを正面から批判し、巨大企業破綻の可能性も想像できた。

同時に事業再生計画は進んだがそこにもJALらしさ、経営陣の危機意識の無さを指摘したのが標題の『腐った翼』(森功著 幻冬舎刊)

国に守られ、政治家と癒着し、甘い汁を吸って世界に大きく羽ばたいた"国策"企業。その内実は、親方日の丸体質が染み付いた、危機感欠如のデタラメ経営そのもの。25年前の御巣鷹山事故が、内部に溜まった腐敗を一掃する絶好のチャンスだったが、なにひとつ手は打たれなかった。高給をヌクヌクと享受する社員は派閥抗争を繰り返し、保身に走る経営陣は為替取引で失敗し抱え込んだ巨額赤字をひた隠す。度重なる運航トラブルで乗客のJAL離れが進み、2010年1月とうとう2兆3000億円もの負債を抱えて倒産した。59年間にわたる堕落ぶりを描いた、組織と人間のドキュメント。(Amazon)

『沈まぬ太陽』がテーマとして選び、表現し、訴えたかったかったJALのダメな部分に森サンは取材者として公正な(?)メスを持って切り込んでいった。フィクションとドキュメンタリーの手法の違いがよく分かる。しかし残念ながら事実は過去何十年も前の事、ドキュメンタリー取材力にも限度があるのは仕方ないでしょう。

 

そして今日はあの事故から25年忌。

まだ明るさの残る夕方の退勤時間に大阪行きJAL機行方不明のニュースが流れていたのを覚えている。

 

犠牲になられた520名の方々の尊い命の重さをもう一度経営陣は噛み締めていただきたい。

存在することに意義のある企業なのか、冷静に自身を見つめていただきたい。

莫大な税金を投入してまで再生させなけれなならない理由が私には理解できない。

 

絶望の淵に立たされたJL123便の乗客、乗員の皆さんの無念さを少しでも共有し、この先に起こる様々な事象に私なりの判断を出して行きたい。

近いうちに御巣鷹山に慰霊登山をしてみよう。

合掌。

 

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