日曜庵でうまい蕎麦をいただく

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広告業界の中心世代は30~40才台。

50才を過ぎて現業でバリバリも段々少なくなっていく。

我々の会社を取り巻くフリースタッフの間でも世代の壁はなかなか乗り越えるのは難しい。

わたしが現役時代にK社の仕事でお世話になったNカメラマンが目の障害もあり、日本そば屋を開業したと聞いたのは数年前。

CMカメラマンとしてのこだわりや感性を活かしたお店作りで繁盛していると聞いた。

 

当時私もお世話になった大手広告会社OGのAさんとメイクアップアーチストのYサンを誘って先週の金曜日にNサンのお店『日曜庵』を訪ねた。

ご夫婦で経営するお店の場所は葛飾柴又。営業は週末の金、土日の3日間(11時半から16時頃まで)。

今は亡き笠知衆の御前サマと渥美清の寅サンがやり合った柴又帝釈天の本堂の裏、川甚の手前の角を曲がったところがお店の所在地。。

スペイン風のピンクの壁の一軒家に木綿の暖簾が風にたなびき、立て看には『どうぞ』と。

落ち着きのある自然光の高い天井のフロアにはゆったりとした時間が流れていた。

店内小物、装飾品、印刷物、食器に至るまですべて店主のアイディア、デザイン。

 

元カメラマンの店主はすぐに我々を歓待してくれた。

広告業界にはほとんどアナウンスしなかった事、最初はカルチャースクールで蕎麦打ちを学んだ事、秋の新蕎麦のうまさは開発した貯蔵法で確保できる事、苦労を重ねながらようやく十年近く経って繁盛店になった事、好きな事を少ない時間で実現している満足感などについて話をしてくれた。

開店当初はお客様が入店するたびに『オイ、ホントにお客さんが来ちゃったよ』と奥様と目を合わせて不安がってしまったというエピソードが当時のN店主の緊張感をうかがわせた。

 

N店主お勧めの常温日本酒と出汁巻き玉子、板わさ、お豆腐(塩&オイル)、蕎麦がきをいただいたあと、粗びき蕎麦と鴨つけ蕎麦。美味かった。

品質にこだわり、かといって価格は抑えての店主の気持ちが十分に伝わるテーブルだった。

裏メニューの突き出し、デザートまでいただき豊かな気持ちでお店を後にした。

お店近くの山本亭でお茶を楽しんでから、Nカメラマンにとって天職はどっちだったんだろうか、なんて考えながら会社に戻った。

昭和の匂いをたっぷり含んだ帝釈天参道と共に、又来てみたい街がひとつ増えた。

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